ソルト中部でことば村会員の松岡です。お久しぶりの、言語ヒッチハイクガイドの下書き。。。と言いつつ、お蔵入り(ここに掲載で終了)の可能性もありますが、こんにちは。

なぜ、ソルト中部Webページにことば村エッセイの下書き?と聞かれそうですが、もちろん、E-learning関係です。パヤタスでデジタル絵本作ったりロボットプログラミングしたり出来るといいなあ、というお話を含みます。

なお、お蔵入りの可能性あり、と書いたのは、ことば村の管轄にコードやコンピュータの言語が入るかどうかが分からないからです。肉声が反映される分、文字なし言語への関心はある(むしろ高い)団体ですが、機械的に情報が入るブロックがことば村の扱いに入るかな?というのが予測できません。別にことば村の了見が狭いとかではなく、概要だけ書いて質問しても雲を掴むような話になりそうだし、私としては取り敢えず書きたいので、エッセイが出来てから聞いてみよう、こんなのでいいかどうかCANVASにも確認とろう、という状態です。

>>ご了承を賜りました。CANVAS  の望月さん、ありがとうございました!

というわけで、先日、書きかけた「ビジュアル言語」について、改めて書きます。まだ小見出しなどは入れていません。また、内容の都合上、本題の前に、まずは、Scratch カンファレンス2018  http://canvas.ws/news/19669  というイベントの紹介をさせてください。

昨日(2018年10月20日)、 Scratchカンファレンス2018というイベントがありました。スクラッチと聞いて、削って当てるくじを連想する方も多いかなと思いますが、ここでは、MIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボ ライフロング キンダーガーテン グループが2006年に公開した、教育用のプログラミング環境のことです。スクラッチのサイト

「フリーソフト」と紹介しているウェブサイトもあるのですが、ダウンロードしなくても使えますし、コミュニティや動画を見物するだけでも面白いので、4つのP(Project、Peer、Play、Passion)というキーワードを考えても、やはり、「環境」という表現が最適だと思います。

画面上に登場する、一見ただのブロックに、実はコードが隠されています。ブロックを組み立てるとスクリプト=ゲームで言えばコマンド(例:旗をクリックしたら10歩移動)になり、簡単にアニメーションやゲームが作れちゃうという優れもの。スプライト(キャラクター)や背景もいろいろあり、手描き挿入も可能ならPNGやJPGなど画像の挿入も可能です。

2020年からのプログラミングの教科化を受け、学校関係者の間でも話題のScratchですが、カリキュラムの組み方や教科との関連付けをどうすれば良いのかは悩みどころ。また、Scratchが何を目指しているのかが理解されていない面もあります。そこで、Scratchの開発者であるミッチェル・レズニック教授をお招きして、日本初のScratchカンファレンス開催となったそうです。会場では、ミッチェル教授の講演やMITメディアラボの方によるScratchの理念体験ワークショップ、日本でScratchを活用する企業・団体・学校によるデモやポスターセッションがあり、大いに盛り上がりました。

私は午後だけ参加(というか、ミッチェル教授の講演がある午前の予約は光の速さで埋まり、気付けば締め切られていました)で、初めての六本木ヒルズ訪問でウキウキでした。受付横の会場を覗いたら、小学校では理科教材でおなじみのアーテックが出展していたので思わず話しかけ、名古屋もご担当されているとのことで「お世話になっております」などと図工や科学クラブのことを話すうちに、フィリピンに提携企業があるとの情報もゲット、名刺をいただいて、ぜひマニラでロボット遊びグッズが欲しいです、メールするのでまた詳しく教えてください、などなど嬉しい情報交換をしました。パヤタスプログラミング教室、ぜひ実現したいところです。

さて、このスクラッチカンファレンス、ワークショップに参加してみて、いろいろ作って、他の人のプロジェクトも見て、楽しかったです。

詳細は 本家サイト(Scratchカンファレンス2018東京)  をじっくりとご覧いただくとして、共催が NPO法人CANVAS でした。ここから、ソルト中部の活動やビジュアル言語関連の本題に入ります。

CANVASは、2002年に発足した、創造的な学びの場を産官学連携で提供する団体で、 CI(デジタルお道具箱)というオープンソフトをデザインしています。このCIをソルト中部でも活用したく打診し、めでたく許可をいただきました。打診した段階では、パーツのPNGデータ集か何かかなと思っていたのですが、ワクワクしながら開いたら、PDFだけでなくAdobeイラストレーターのソフトもあったので驚きました。

Adobeイラストレーター は、名前の通り、ロゴやイラスト、ポスターのデザイン、地図やグラフの作成などを作成できるグラフィックソフトです。つまり、CIのデータは、イラストレーターで加工が可能なわけでして、この自由度の高さは予想外でした。

開くとこんな感じでして、文字や形などのパーツをクリック・アンド・ドラッグでワードやパワーポイントに移動すると、そのまま活用できます。

CIデジタル道具箱!

そして、イラストレーターなので、パーツの色を自由に加工できちゃうのです。黄色を赤に変えてみました。「そ」の文字と、パレット上の筆の位置にご注目下さい。

色を変換してみました。

さて、「そ」は「そると」の「そ」。そして当然ながら、このCI、Scratchと親和性が高いです。「そると」の文字とかわいいスプライトで何か広報アニメを試作したいなと考えまして、「そ」の文字を一旦ワードに貼り付け、「図として保存」でJPEG化してみました。

JPGは背景透過しませんでした。

そしたら、背景の黒が入り込んでしまいましたので、今度はPNG化したら、背景透過に成功しました。わーい。因みに、PNG(ポータブル・ネットワーク・グラフィックス、ビットマップ画像を扱うファイルフォーマットです)はPDFと互換性がありますので、イラストレーターのない方がPDFでCIデジタル道具箱を開いた場合、オンラインコンバーターで画像変換ができるかもしれません。(まだ試していないのですが)

さあ、Scratchに、CI道具箱から出した文字を挿入しました。

ちょっと落書きまでしちゃいました。いやあ、面白いです。音や動きを付けたりしていると無限に時間使いそうだし、1人で完成したらソルト的にもScratch的にもよろしくないので、本格的な取り組みは、長屋なかむらでやりたいと思います。

さて、このCIで作成しScratch上に書いた「そ」の文字、人間がアナログで短時間に再現することは、ほぼ不可能です。パソコン上では、「そ」の文字の、色や大きさ、動き、音を自在に変えることが出来ます。しかし、ここでは情報は可視化されていません。Scratchはあくまでも環境であり、言語としてはSqueakで、他には Etoysというオープンソース  も開発されています。

ビジュアルプログラミング言語は、一見、例えばブロックのような見た目ですが、コードが隠れています。上記の「そ」の文字には、パーツと組み合わせ、色、縦横比などのデータが組み込まれており、人がアナログに手で書いた文字とは全く質の違う情報が組み込まれているわけです。(アナログの手書き文字も、拡大すれば、黒鉛・粘土・インク・紙の凹みなど情報の宝庫です)

アナログな言語を新しく覚えようとする場合、辞書や通訳や翻訳が必要ですが、ビジュアルプログラミング言語は、ブロックが組めれば取り敢えず使えます。コードがわからなくても、口頭での共通の言葉がなくても、初対面の人間同士が、手を動かせば作品を作り出せるのです。

言語としてはとても画期的だと感じますが、難点は「電気がないと使えない」「電波がないとつながらない」ことです。例えば、ソルトの支援先のパヤタスでは、住民の皆さんの多くは、洗濯は手洗い・料理には炭を使っており、材料も市場で買ってきます。テレビやスマホは使っているので、電気や電波がゼロというわけではありませんが、大量の情報の送信に向く環境ではありません。上に書いた通り、ビジュアルプログラミング言語には膨大なコード情報が組み込まれています。

幸い、CIデジタル道具箱もScratchもオフラインで使用が可能です。CANVASとのつながりをきっかけに、パヤタスの子供達がCIやScratchに触れる機会ができればと思います。そう単純なものではないと理解はしつつ、それでも、個々の事情で通学の継続が難しい状況にある子供達がスマホでScratchを閲覧し学びや仲間に触れ続けるきっかけになれば、ごみ山に依存した生活から脱するきっかけになれば、と心から願っています。

最後に、ソルト・パヤタスの創設者の1人で初代事務局長だった 小川恵美子のブログ記事 をご紹介します。

学びたいけど学べない子供もまた、周囲のすべてから切り離されているような、心もとない感じに襲われているのではないでしょうか。身近な理解者に恵まれないけれども学習の継続を願う子供のPassionが、Scratchの環境を通してPeerに恵まれ、Playするゆとりにつながり、夢を叶えるProjectが実現する日が来るよう、大人として応援したいと思います。CANVASサイトを通じて、Scratchカンファレンスに参加出来たこと、21世紀の言語に触れて深く学ぶ機会を得たことに、心から感謝申し上げます。

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